novel-railwayのブログ

以前投稿した小説記事をこちらでアップしていきます。

2024年3月のブログ記事

  • 鉄道公安官物語 第28話

    前回、草木も眠る丑三つ時にうとうとしてしまった白根ですが、ふと窓から入ってくる磯のにおいが白根を更に夢の世界に誘うのでした。 顔はよく判らないのですが、まだ見ぬ素敵な彼女と浜辺を走っている夢でした。 そんな楽しい夢を破るように、野太い声が聞こえます。 「おい、なに寝てるんだ。」   「○○さん。」... 続きをみる

  • 鉄道公安官物語 第27話

    少しふてくされた表情を見せながらも、白根と涌井に促されるように車外にでた犯人ですが、当時の紀伊田辺駅の様子を少しだけ時間のコマを戻してお話ししてみたいと思います。 田辺駅での25分の停車は長いようで短いものです。 先頭車付近では、荷物車から新聞の包みが降ろされ替わりにいくらかの荷物が積み込まれてい... 続きをみる

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  • 鉄道公安官物語 第26話

    白根は、初乗務で思わず置引きの常習者と遭遇、自殺志願者を未然に助けるなど普通ではありえない展開・・・(まぁ、脚色しているから当然だろうと言う突っ込みは無しで)ではありますが、こうやって色々と経験をつんで一人前の公安官になっていくのでしょうね。) 私も警察官だった頃は、警察学校で教わったことがすぐに... 続きをみる

  • 鉄道公安官物語 第25話

    さて、前回のお話では不審者が寝台車にいたことから、職務質問をしたところ、先輩公安官涌井の誘導尋問に引っかかって、ぼろを出した男の話しで終わっていたと思います。 > 涌井は、確信しました、この男は嘘をついていると。 > >   涌井は、白根に目配せするとともに、車掌に伝えるようにサインを送るのでした... 続きをみる

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  • 鉄道公安官物語 第24話

    さて、新しい恋の予感を感じた、彼女は路面電車が通る比較的広い道を歩きながら実家のある黒江に向かって歩き始めたのですが、彼女が再び白根と再会するのはもう少し先のことですので今日は、白根たちが乗務した列車の方を見ていきましょう。 時刻は、ただいま1時半、御坊を発車した列車は安珍、清姫の説話で有名な道成... 続きをみる

  • 鉄道公安官物語 第23話

    海南駅で降りた、恋に破れた女性はどうなったのでしょうか。 女の涙と白根がどうつながって行くのか。 早速、物語を始めたいと思います。 現在時刻は午前1時、白根たちを乗せた汽車はまもなく御坊に到着するところです。 御坊は、和歌山から約60kmの地点であり、約1時間の道のりです。 ここは、田辺市に次いで... 続きをみる

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